理事長所信

 

理事長所信

 

事上磨錬

~しないといけないことを探し出し、やり遂げる~

一般社団法人 近江八幡青年会議所
第57代理事長 福原一慶

 

はじめに

私は2015年に近江八幡青年会議所へ入会させていただきました。きっかけは入会していた地元の先輩から誘っていただいたというもので、当初は青年会議所が何かもわからないままではありましたが、父親が公民館などで地域貢献をしている姿を見ていたという影響もあってか、ただ単に「自分が好きな近江八幡のために何かしたい、自分の子供に自分と同じように近江八幡を好きと言ってもらえる何らかの力になりたい」というだけのぼんやりとした動機でした。
それから7年。様々な機会をいただき、多くの経験をさせてもらい、とにかく出来る限りのことはして走り続けてきた結果、理事長の役職をお預かり出来たと思います。振り返ると、そこにはとても多くの人との出会いがあり、しかし、多くの苦しみもあり、でも、多くの楽しみも多くの感動もありました。それらの様々な経験を社会人になってから体験できる青年会議所という組織はとても素晴らしいと思います。そのような経験を得た後に昔の自分と向き合ってみると、過去には生死に関わるような事故も経験したのですが、今もこうして元気に生活できているのには意味があって生かされているのかなと考えたりもするようになりました。しかし、そのような言葉では言い表せないとても大切なものが、青年会議所に入会したことのない多くの人には伝わっていないというのが現実です。
私は最近、周囲の人に「青年会議所は大人の部活みたいなもんやで」と話します。メンバーの間に利害関係はなく、見返りもない。各個人が思う形は様々ありますが、団体としては、明るい豊かなまちという大きな目標を目指して、時間を使い、汗を流して、時に怒られ時に泣き、それを走り抜けた先に仲間と喜べる瞬間がある。これは経験しないとわからないものであり、私が青年会議所に入会して学んだとても大きく大切なものです。しかし、近年ではメンバーの数も減り、コロナによって機会に制限をかけるしかなく、それらを感じられる瞬間が私の入会当初に比べると少なくなってきていると思います。このままでは青年会議所もよくならなければ、まちにいい影響を与えられることもできません。まずは出来ない理由を探す前に、出来ること、しないといけないことを探してみましょう。
それを考えた時に私の中では、「拡大」「事業」「広報」の3つが思い浮かびました。この3つは切り離すことのできないものだと考えています。広報で私たちの存在を知ってもらう。拡大で共に高めあうことのできる仲間を増やす。事業を行うことでまちの人や自分の子供に近江八幡を好きだと言ってもらえる一助となれる。この3つがしっかりと機能していれば、どこから青年会議所に対しての接点を持ってもらっても次につながると考えています。しないという選択をすることは簡単です。それに対してするという選択をし、やり遂げるためには、それ相応の努力が必要で大変な苦労が伴ってきます。しかし、それを達成した時にはやり遂げた者にしかわからない達成感や経験が必ずついてきます。10の苦労をしたからと言って10の経験が得られるものではありませんし、10の苦労をしても得られたものは1かもしれません。ただ、10の苦労をしなければ1の経験も得られませんし、だからこそやることに意味があります。効率良く生きる人生も一つかとは思いますが、やる前から効率がいいかどうかの判断はとても難しく、効率が悪かったからこそ得られるものも長い人生には必要不可欠なものです。そしてこれらはお金に代えることのできないあなただけの財産になり、自分自身の成長へつながり、今後の人生にいくつもの好影響を与え、さらには近江八幡・竜王の明るい豊かな未来へ繋がってくれることでしょう。そういったかけがえのない経験を出来る青年会議所を感じるためにも、しないといけないことを探し、やり遂げましょう。

 

拡大委員会

私たちは40歳までの青年経済人で構成されている団体です。しかし、在籍できるメンバーの年齢制限があるということは卒業があり、卒業があるということは新しい人が入ってくれなければいつかは人がいなくなります。近年の会員減少は著しく、とてつもなく大きな問題となっています。原因はひとつではなく多くの問題があると思いますが、その中からひとつでも多くの問題を解消し、同じ志をもってまちの未来を考え、一緒に苦楽を経験してくれる仲間を一人でも多く増やしたいと思います。まずは、一人の青年経済人という自覚をもって地域で活躍できるリーダーとなるために、青年会議所だからこそ経験出来る機会を提供し、個人の能力も養います。そして、私たちがしている運動や活動に対して、日頃から協力をもらっている家族には、普段見えている姿とは違う視点からも見てもらい、世間の声として受け止めたうえでさらなる支援をしてもらう必要があります。さらに、今後の拡大につなげるためにも対外や先輩諸兄姉へのアプローチを出来るきっかけも増やしていかなければなりません。また、年度末には本年度の集大成として卒業生を見送り、次年度以降の拡大へとつながる機会をつくります。

 

事業委員会

過去にはてんびん祭りを開催していた歴史もありましたが、時代とともになくなり、近江八幡青年会議所が50周年を迎えた2016年から再びてんびん祭りに代わる「はちまんフェスタ」をスタートしました。第4回開催時には打ち上げ花火も実現でき、過去のアンケート結果からもまちの人びとから必要としてもらっていることは現実です。これから大人になってゆくまちの子供たちに小さな頃の思い出として覚えてもらい、自分の子供に思い出として話してもらえるような恒例行事となる。さらには、地域を盛り上げられる、活気あるまちへのきっかけとなるような地域の方々に必要とされる事業となるべく本年度も開催します。まずは、そのためにも対外の方々や先輩諸兄姉には、今一度私たちの本年度の方向性とともに運動や活動を知っていただきたいと思います。そして、様々な方々と協力し、「近江八幡青年会議所ここにあり」と言えるような場をつくりましょう。さらに、近江八幡青年会議所の枠を超え、自分が所属する青年会議所という組織の規模を体感できる機会を活かし、そこで生まれる新たな出会いを経て、さらに青年経済人としての成長を果たしましょう。

 

広報委員会

私たちの活動の根幹には「明るい豊かな社会の実現」があります。その目標に向かって日々会議を重ね、色々な取り組みを行っているのですが、実際にはまちの方々からは何をしている団体か、そもそも団体自体を知らないという方が大勢おられます。やはり知られていない現実があると、何かを行う際に賛同してもらいにくいというのは事実としてあり、協力をいただけなければできない運動・活動もたくさんあります。さらには一緒に活動をしてくれるメンバーの減少にもつながってしまいます。まずは知ってもらうことで、こちらの話を聞いていただく機会をつくり、聞いてもらえることで生まれる意見を取り入れ、さらによりよい団体を目指して活動していきます。まずは、様々な人に知ってもらうため、今年度の核となる手法を考えます。そして、広報を通じて私たちがさらなる成長につながる機会を設けます。さらに、地域の子供たちに私たちを知ってもらい、子供を通じて地域の方々にも私たちのことを知っていただく機会をつくります。

 

事務局

全てのメンバーが円滑に全力で運動や活動に向き合える環境を整えることは、事務局としてとても大きな担いであり、だからこそメンバーの手本となるべく総会や例会を担当します。組織運営を支える事務局の設営や振る舞いなどから気づきを得て多くのことを学び、メンバー同士の交流からさらに強くなった絆があることで今まで以上に青年会議所活動と向き合い、成長の機会を得たメンバーは本年度を終える頃には大きく成長し、次年度以降には地域の中でも活躍出来る実力を備えた団体になるでしょう。

 

結びに

私たちが目指しているのは、例えるなら雑草を刈る団体ではなく、雑草が生えない仕組みづくりを目指すような団体です。表面を変えるのではなく、根本を変えていく運動ができるよう唯一無二な団体として努力しています。しかし、それはとても困難なことです。その理想を実現するべく、タイトなスケジュールに追われながら、寝る間も惜しんで議案と向き合い、時には理不尽な出来事もあると思います。結局できなかったことも多々あるでしょう。しかし、そんな反省を繰り返さないよう次へつなげるための努力をしているのも現実です。私たちはどんなに後悔しても40歳までしか青年会議所活動はできません。しかし、その制限があるからこそ私たちの付けているJCバッチには、誰が見てもわかる「40歳以下」という価値があると思います。まだ人生の半分も過ぎていない未熟者なので、必死にもがいた結果の失敗は恐れずに、しないといけないことを真剣に考え、自分が正しいと判断した道を周りの人とともに全力で走れるような人間を目指しましょう。