理事長所信


理事長所信

独立自尊

熱狂的な個が生きる

一般社団法人 近江八幡青年会議所
第54代理事長 岡田 大輔

 

はじめに

戦後、困難な時期を経て、わが国の先人たちは熱い情熱と弛まぬ努力によって奇跡的な再建を遂げ、日本は世界有数の先進国の一つとなりました。そして、現代ではこれまでの功績によって素晴らしい豊かさと平和な環境を享受しています。しかしながら、1990年代初頭に起きたバブル崩壊を機に日本経済は急激なデフレへ陥ると共に、2000年代後期にはリーマンショックやアジア各国の経済成長から国際競争力は低下し、現在に至るまで長期停滞を余儀なくされています。また、現在の日本は超高齢化社会という社会問題を抱え、特に地方から都市部への人口流出が進むことで、地方自治体の存続すら危惧される状況にあり、将来において経済力の低下や財政上の逼迫が懸念されています。また、日本国民の意識にも変化が生じており、中でも大多数の青年は諸外国と比較しても自己肯定感が低いのが現状です。そのことは徐々に回復基調と言われる日本経済を肌で実感できず不安視される経済的理由もありますが、恵まれた現代社会では、地域や社会に対する関心が薄れ、自分の周りで起こることを他者に依存し、自身が責任をもって判断や行動する主体性の欠如が進んでいったのではないでしょうか。今の豊かな生活は、決して誰かが保障してくれているものではありません。私たちの地域は、他の誰かに頼むのではなく、私たち青年がより良く変えていかなければなりません。
その様な現状を踏まえ、今を生きる青年はどのような考えを持ち、これからを生きていかなければならないのか。歴史を振り返るといつの時代でも変革をもたらすのは社会意識の高い一人の圧倒的な精神が大きく影響している現実があります。そこに共通することは、常に困難に立ち向かい、自ら考え行動する独立した精神が根源だということ。そして、日本国民の美意識でもある道徳心と祖国を思いやる愛郷心を自身に宿していくことが人や地域から求められる要素となります。これからは情熱溢れる私たち青年が地域や社会を真摯に受け止め、諸問題に対して信念ある行動と愛情ある心から主体性を高めていくことが、周囲に影響を与えて伝播し、人が地域を創り、人が国を創るものです。個の独立自尊という精神こそが「明るい豊かなまちづくり」には不可欠です。

 

企画広報委員会の取り組み

戦略的広報と強固な地域連携が近江八幡JCブランド

一社)近江八幡青年会議所は53年間の歴史の中で、常に地域の未来を描きながら様々な運動を発信してきました。現代社会ではデジタルメディアが発達し高度な情報化が進む中、単に情報発信するだけでは意味がなく、私たちの運動から地域の意識変革を行い、より良いまちづくりを実現するには広報戦略が必須になります。地域の青年経済人が集う組織として、模範となる広報手法を打ち出すことで、地域からの理解と共感に繋がり近江八幡JCブランドの確立ができていきます。
まずは、(一社)近江八幡青年会議所の社会価値を組織内にて共有し、各自が地域のイノベーターであることの自覚をさせなければいけません。そして、情報発信力の強化には、目的に応じた関係各所との連携から正確かつ迅速な情報の受発信ができる仕組みを考え、組織からの効果的な意思の発信と関係各所からの有益な情報をもとに地域情報の共有をしていきます。さらに、より強固な地域との連携には、青年会議所独自の理念や目的を明確に発信することから存在価値の差別化を図り、私たちの運動への共感や賛同を得られる意識変革を進めていきます。また、更なる組織の価値向上には、既存媒体を駆使しつつも電子媒体にはとらわれず、組織の特色や独自性、地域の魅力などを戦略的に打ち出すことが近江八幡JCブランディングを推進し、より地域から必要とされる組織へ変化していきます。そして、永続的な地域との関係構築に向けて、私たちの諸問題に対する取り組みの効果的な発信から理解を深めると共に、卒業する同志に培った経験から芽生える感動と感謝の共有が今後の社会的信用に繋がります。

 

人財開発委員会の取り組み

独立した精神と地域課題に対して主体性ある人財育成

かつての先輩諸兄は未来の地域や社会を見据え、常に一人ひとりが情熱と探求心を持ち、その時代に合ったより良いまちづくりを目指したからこそ、素晴らしい豊かさと平和な環境が実現しました。しかし、現代社会を生きる青年は今の豊かさゆえに個性と自由が尊重され、そのことが当たり前と思える環境から思考や価値観を形成しました。私たちが地域を担う青年経済人として、一人ひとりが他者に依存することのない独立した精神を養い、共生社会・生涯活躍社会などの地域問題を見据えて、地域との関係性を築き、次世代の担い手となる主体性ある人財が必要です。
まずは、地域の先導者として従来の固定概念や依存心を排除し、各自が自身の在り方や資質を養うことで自尊心を高め、地域に対する社会的意識を持たないといけません。そして、主体性のある人財育成には、一貫性ある行動を計画的に継続することで、信頼によって成り立つ精神を養います。さらに、地域問題に向けた先導者として、障害者や高齢者などと共に地域で活躍できる人財を育成し、愛着と誇りを育む取り組みが地域コミュニティの継続的な発展となります。

 

地域創造委員会の取り組み

地域の愛郷心を育み老若男女が共存できる地域開発

現代の地域課題として、人口減少や少子高齢化、人口流動、職住分離、さらには晩婚化や核家族化といった社会の変化に伴って、地域コミュニティは衰退傾向へ進んでいます。地域に根差した青年会議所は地域課題に対する将来への影響をよりマクロな視点で捉え、諸問題への方向性を明確にし、そのビジョンに向かって邁進することが重要です。一時的に効果のある表面的な取り組みではなく、永続的に地域社会へ自立と繁栄をもたらすことで誰一人取り残すことない持続可能な社会が実現できます。
まずは、地域における現況や課題、地域開発に向けた有益な資源や手法を把握し、適格な現状分析をもとに地域との情報を共有しないといけません。そして、地域や関係各所から永続的な賛同を得るには、地域目線から明確なビジョンの提言し、課題に対する本質を捉えた開発目標の相互理解から共感が生まれ、協働ができます。さらに、そこに暮らす人々の生きがいあるまちづくりには、有益な資源を最大限に活かし、地域内外にも影響ある永続的な新たな価値の創出が地域経済の発展に繋がり、老若男女が共に創る地域主体の自立したまちづくりが実現します。

 

拡大特別委員会の取り組み

プロセスに沿った会員拡大

近年、地域インフラや行政サービスの発展により市民運動や社会開発団体の在り方も多様化し、セミナーや交流会などの研鑽を積む機会や人に出会う機会も細分化され、ニーズに応じた変化から青年会議所の取り巻く環境は大きく変化をしているのが現状です。しかし、青年会議所にしかないものは何か。私たちは奉仕・修練・友情という三信条に基づいた活動をし、青年経済人として資質を養い、高い志のもと、地域のために率先して行動する先導者となる機会は青年会議所にしかないものです。だからこそ「JCにしかできないこと」を追求し、社会意識の高い同志の会員拡大がまちづくりには必要です。
まずは、(一社)近江八幡青年会議所の今ある姿から未来に与える影響を考慮し、組織内の意識変革が必要です。そして、新たな会員の発掘には、固定概念に捉われることなく徹底したリサーチと柔軟なアプローチから新たな可能性が生まれます。さらに、会員拡大は長期的な活動として効果的な手法を考え、選択と集中を計画的に実行し、事業価値を高めていくことが新たな同志の拡大に繋がります。

 

結びに

私は、低出生体重児による難産から奇跡的にも絶えることなく小さな命を育みました。物心がついた時にその事実を知り、生まれて来れなかったかもしれないという幼心なりに感慨深い気持ちが今でも頭の中にあります。授かった一度だけの価値を自身で考え「生きる」ことが大切です。
この地域に住み暮らす中で(一社)近江八幡青年会議所と出会いから数多くの生きる価値を学びました。今から53年前、先輩諸兄は地域の未来を見据えて(一社)近江八幡青年会議所を設立し、現在に至るまで高い志のもと、壮絶な覚悟から多くの功績を創り上げられました。
今、その思いを受け継ぎ、私たち青年という期限ある時間の中で一人ひとりの主体性ある行動から可能性に挑戦し、理想とする「まち」を創らなければなりません。そして、いつの時代も新たな価値を創りだすのは、近江八幡青年会議所の熱狂的な青年だと確信しております。